1996ソスN9ソスソス16ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

September 1691996

 ジーパンをはき半処女や秋刀魚焼く

                           磯貝碧蹄館

処女という造語(?)が絶妙にして秀逸。いまどきの娘はみなそういうものです。作者は元郵便局員として有名。俳号の奇妙さでも有名。韓国の古戦場にちなんだ名というが、本当かしらん。(井川博年)


September 1591996

 秋簾日のある草に水捨てる

                           北野平八

事を書かせたら、北野平八の右に出る俳人はいない。いつしか、私はそんな確信すら持ちはじめている。俳壇では無名に近いらしいが、おエライさんの目は、どこについてんのかね。縁側の簾(すだれ)の脇から、たとえばコップ半分の水を捨てようというとき、無造作に捨ててもよいのだが、そこはそれ、日のあたっている草にかけてやるのが人間の情。しかも、季は夏ではなくて秋である。うめえもんだなあ。憎らしくなる。没後に刊行された『北野平八句集』(富士見書房・昭和62年)所収。(清水哲男)


September 1491996

 祭りの灯なかの一軒葬りの灯

                           中村苑子

内の家ことごとくの軒先に祭りの提灯がつけられて、眺めが一変した秋の宵。歩いて行くと一軒だけ色合いの違う提灯がさがっている家があり、喪服の人がひっそりと出入りしている。どちらも、今生の、祭りの灯である。(辻征夫)




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