December 211996
冬至南瓜戦中戦後鮮烈に
小高和子
団塊の世代でも、句の意味がわかるかどうか。若い人には謎に近いだろう。戦中戦後の食料難の時代に、生命力の強い南瓜は、庭はもちろん屋根の上でまで栽培され、主食同然の食べ物であった。来る日も来る日も南瓜ばかり食べていたせいで、我が家ではみんな顔が黄色くなってしまったほどだ。そんな思い出を持つ人間が、冬至の南瓜にむかえば、句のような感慨を抱くのは当然のことだろう。私もそうだが、私の世代には南瓜嫌いが多い。したがって、柚子湯は好んでも、冬至といえども南瓜など食べる気にはなれないのである。(清水哲男)
『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます
|