1997ソスN1ソスソス8ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

January 0811997

 薄日とは美しきもの帰り花

                           後藤夜半

でも暖かい日がつづくと、草木が時ならぬ花を咲かせることがある。これが「帰り花」。「忘れ花」ともいう。梅や桜に多いが、この場合は何であろうか。もっと小さな草花のほうが、句には似合いそうだ。しかし、作者は「花」ではなくて「薄日」の美しさを述べているところに注目。まことに冬の日の薄日には、なにか神々しい雰囲気をすら感じることがある。芸の人・夜半ならではの着眼であり表出である。花々の咲き初める季節までには、まだまだ遠い。『底紅』所収。(清水哲男)


January 0711997

 松過ぎの又も光陰矢の如く

                           高浜虚子

松を立てておく期間は、関東では六日まで、関西では十四日までが慣習。門松や注連飾りが取り払われると、急に寂しくなるが、しかしまだどこかに新年の気配は残っている。とはいえ、仕事も本格的にはじまり「又も光陰矢の如く」になることに間違いはない。もう少し正月気分でいたい私などには、実をいうとあまり読みたくない句なのだが、仕方がない。虚子のいうとおりなのだから、いやいやながら掲げておく。(清水哲男)


January 0611997

 仕事始とて人に会ふばかりなり

                           大橋越央子

格的に仕事をはじめる会社もなくはないが、仕事始とは名ばかりのところが多い。職場での挨拶からはじまって、後は得意先まわりなど、この句のように過ごす人が大半だろう。そんな「人に会う仕事」も明るいうちに終わってしまい、のんびりとした時間が残される。それが証拠に、午後のビヤレストランなどは満杯である。(清水哲男)




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