1997ソスN4ソスソス26ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

April 2641997

 頬よせて四つ葉のクローバー多感なり

                           柴田美代子

に描いたような少女像。四つ葉のクローバーを見つけた友だちと、頬寄せ合って眺め入っている少女たち。そんな光景を、作者はほほえましく見つめている。その一方で、みずからの多感期を思い出しているのでもある。もう少し深読みしておけば、幸福の象徴とされる四つ葉を見つけたからといって、少女の未来の幸福が保証されるわけではない。当たり前の話だ。が、そのことに、言いようのない切ない感情がわいてくるのを止めることができないでいる……。(清水哲男)


April 2541997

 緑なす松や金欲し命欲し

                           石橋秀野

にでも、季節は平等にめぐりくる。が、受け取り方は人さまざまだ。病者にとっては、とくに春のつらい人が多い。中途半端な気温、中途半端な自然の色彩。あるいはそこここでの生命の息吹きが、衰えていく身には息苦しいからである。そんな心境を強く表白すれば、この句のようになる。この句を読んで、誰も「あさましい」などとは思わないだろう。今年も、元気者だけのための「ゴールデン・ウィーク」がやってくる。(清水哲男)


April 2441997

 太陽を探しに遠足坂また丘

                           野沢節子

り日の遠足。いまにも降ってきそうだ。もうひとつ心が弾まない。自然に足どりも重くなる。坂道を登ったと思ったら、また前方に小高い丘が見えてきた。ヤレヤレ。なんだか、みんなで苦労して太陽を探しに来ているみたい。お弁当の時間まで、もう少しだ。ちょっとでいいから、晴れてほしいな……。と、曇天下の遠足を詠んだ句は珍しい。日本のどこかでは、今日もこんな遠足が行なわれていそうだ。(清水哲男)




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