October 141997
夜なべする大阪に音なくなるまで
浦みつ子
針仕事だろうか、あるいは家計のための軽作業だろうか。とにかく、昔の人はよく働いた。夜の遅い時間を表現するにはいろいろとあるが、作者の発想はユニークである。夜中まで忙しい商都大阪の音がなくなるまでというのだから、夜も相当に更けていることがわかる。これが他の都市名だったら、ここまでの味わいは出ないだろう。「大阪に音なくなるまで」は、作者の実感だ。実感だから、少しも無理がないのである。ところで「夜なべ」という言葉、現代の子供たちにわかるだろうか。(清水哲男)
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