October 191997
いとしさの椎の実飛礫とどかざり
竹本健司
飛礫は「つぶて」。男女何人かでのハイキング。好意を抱いている女性が前を歩いている。ちょっと驚かせてやろうと、椎の実を背中めがけて投げつけたのだが届かなかったというだけの句。女性の気を引くために、男はしばしばこういうことをする。髪の毛を引っ張って泣かせたりする小学生も、椎の実を投げつけてみる大人も、この点では変わらない。このとき「いとしさ」をどれほど自覚しているか。そのあたりが、子供と大人の別れ目なのだろう。(清水哲男)
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