山一証券破綻。それにしても、最近の労働組合は一体ぜんたい何をしておるのか。




1997ソスN11ソスソス22ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

November 22111997

 しぐるゝや駅に西口東口

                           安住 敦

の出口で待ち合わせた。そんなに大きくはない駅だから、すぐにわかるだろうという計算だった。ところが、駅に着いてみると出口が二つあって、どちらに出て待てばよいのかがわからない。こういうことは、よく起きる。いまどきの高架線の駅であれば、東口から西口を往復するのは割に簡単だが、昔風の駅ではそうもいかない。いったんどちらかの改札口を出てしまうと、反対側の出口にはなかなか行けない。入場券を買ってもう一度ホームに戻るか、あるいは近くの踏切を見つけて大回りするかしか方法がない。おりから時雨れてきたホームでの、ちょっぴり不安な思案の図……。さて、それではここはいったいどこの駅かということになるのだが、調べ魔の友人が、東京の「田園調布駅」だと突き止めてくれた。(清水哲男)


November 21111997

 ベッド組み立てて十一月の雨

                           皆吉 司

集のあとがきを読むと、新居を構えて間もないころの作品だ。作者の家が放火で焼かれ、一年間ほどの仮住まいの後の新居である。注文しておいたベッドが届いたのは、あいにくの雨の日だ。それでも細目に窓を開けて、組み立てていく。ベッドの枠や脚のパイプも冷たいが、外の雨も冷たい。ようやく組み立て終ってみると、ベッドはにわかに暖かい雰囲気になる。雨はあいかわらず冷たそうに降っているけれど、部屋のなかにいる作者は逆に暖かい心持ちになっている。ささやかな仕事を終えた充実感に満たされている。このとき、作者は二十代前半。雨とベッドの対比も若々しい。『ヴェニスの靴』(1985)所収。(清水哲男)


November 20111997

 疲労困ぱいのぱいの字を引く秋の暮

                           小沢昭一

集『変哲』(1992年・三月書房)より。90年の作。いやあ、よくわかるなあ、この気持ち。実は評者も目下、経済不如意、痛風持ちの上に、先頃自転車で転んで手をつき指し、直ったら今度は中耳炎の再発で右耳が良く聞えない、という散々な状態なのです。そして同じように「ぱい」の字がわからないので、老眼鏡を掛けて字引を引いたという次第。疲労困憊。本来は今は初冬で秋の暮ではないのだが、今年は変に暖かく、まだ冬には早い感じ。でもすぐ冬になるのだ……、やれやれ。「変哲」は小沢昭一の俳号。この句集は中高年のオジサンにとっては、実にアリガタイ句集です。(井川博年)




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