January 072000
今も師に遠く坐すなり新年会
風間ゆき
結社の新年会か、同級会なのか。いずれにしても、先生という人を中心にした集いである。でも、新年会は無礼講ということで、席順はなし。どこに坐ってもよいのだが、やはりいつもとと同じように、先生からは遠く離れたところに坐ってしまう。昔からである。私にもそういうところがあるので、身に沁みる句だ。小学生の頃から、どうも先生という人が苦手で、なるべく離れるようにしてきた。敬遠だ。よく先生の手にぶら下がって甘えている女の子がいたけれど、私にしてみれば気が知れなかった。だから、こうした会合ではなくとも、先生がおられなくても、そんな気質が日常の場でひょこひょこと顔を出してくる。電車に乗るときなどもそうで、めったなことでは一番前の車両に乗ることはしない。いや、できない。いつも、一番後ろに乗る。自然と、そうなってしまっている。いわゆる「引っ込み思案」というヤツだ。昔の同級生からは「よく、そんな男にラジオの仕事が勤まるな」と言われるのだが、私に言わせれば、きっかけさえあれば「両極端は簡単に一致する」ということになる。あなたの場合は、どうでしょうか。(清水哲男)
『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます
|