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August 1782001

 朝顔や締めあう首のあべこべに

                           増田まさみ

ちらかと言えば「朝顔」は夏の花だが、伝統的に秋の季語とされる。薬草として中国から渡ってきた植物で、万葉集にも出てくる。観賞用になったのは鎌倉時代以降からで、江戸時代に盛んになったというのが定説。観賞用の花は品種改良が重ねられるので、可憐で涼しげな姿をなんとか夏に登場さすべく改良されたのかもしれない。掲句は、その可憐で涼しげな花同士が「首」を絞めあっていると言うのである。お互いの蔓が、相手の花下の「首」にからみついている状態だ。人間同士の首の締め合いならば、正対しなければならない。が、朝顔は互いに「あべこべ」の方を向いて、すなわち素知らぬ顔で、互いにぎゅうぎゅうと締め上げあっているというわけだ。なあるほど……。ブラック・ユーモアの味がする。誰に聞いたのだったか、句を読んで、こんな話を思い出した。ある小学生の女の子が誕生パーティに、いつも自分をいじめるイヤな子も呼んだ。呼ばないと、後でどんな目に遭うかわからないからだ。女の子の母親が集まったみんなに「いつまでも仲良くしてね」と挨拶すると、いじめっ子がにこにこと「私たちシンユウだから、イッカイもケンカなんかしたことないんですよ」と応えた。母親からは見えない机の下で、当の女の子の膝をしっかりと抓(つね)りながら……。『女流俳句集成』(1999)所収。(清水哲男)




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