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September 1592004

 大欅祭に晴れて小鳥来る

                           小林之翹

語は「小鳥来る」で秋。当歳時記では「渡り鳥」に分類。最近、森澄雄さんからいただいた随想集『俳句遊心』(2004.ふらんす堂)に載っていた句だ。この句について、森さんは次のように書いている。「原句は『祭日晴れて』であった。『祭日』は単なる祝日ではなく、その地方の祭りの日ととって『祭に』とした。そうすることによって、祭りの日の好晴とともに大欅の姿もはっきりするし、一句の空間も豊かになると考えたからだが、作者の意図は祭日を祝日の一日として、この率直な表現の明るさにも心ひかれ、なお忸怩たる想いも残っている。作者及び読者はいずれをよしとされるだろうか」(「臍峠」)。句としては、私は森さんの「添削句」のほうが格段に良いと思った。「祭日晴れて」でも悪くはないが、いささかピントが甘いからだ。ただし、「祭日晴れて」と「祭に晴れて」では、まったくシチュエーションが違うので、添削句は作者の意図を歪曲していると言わざるを得ない。私は文芸作品への添削それ自体を認めないが、百歩譲っても、添削は作者の意図を生かす方向でなされなければならないだろう。掲句の場合、作者が地元の祭りを詠んでいないことは明らかだ。したがって添削を受けた作者にとって、この句はなんだか他人の作のように感じられるはずである。森さんの「忸怩たる想い」も、おそらくはそのあたりから来ているのだと思う。当サイトの読者諸兄姉は、それこそ「いずれをよしとされるだろうか」。(清水哲男)




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