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July 2772005

 銀座には銀座のセンス夏帽子

                           松本青風

語は「夏帽子」。麦わら帽、登山帽、パナマ帽など、夏用の帽子ならいずれでもよい。まだ帽子をかぶる人の多かったころの銀座の夏。思い思いの夏帽子をかぶった人が、行き交っている。作者自身もかぶっているのだろうが、人々の帽子姿を眺めているうちに、おのずから銀座という街に似合っている帽子とそうでないものとが判然としてきた。すなわち「銀座には銀座のセンス」というものがあるのだ。最新流行と称されるものや高価そうなものが、必ずしもこの街に似合うとは言えない。現在にも増して、昔の銀座は保守的な街だったから、そこでのセンスを身につけるためには、やはりそれなりの年期が必要だったろう。私の観察してきたところでも、銀座には発売中のファッション雑誌から抜け出てきたようないでたちの人は、まず登場してこない。そういう人たちは最初に新宿や澁谷などに出現し、彼らのファッションが相当にこなれてきた段階で、ようやく銀座にもぽつりぽつりと姿を現しはじめるのだ。むろん例外はいくらでもあるけれど、大筋はそういうところに収まってきている。そして銀座に限ったことではなく、どこの街にもそれぞれに固有のセンスがあるのは面白い。たとえば心斎橋には心斎橋の、博多に博多のセンスがあって、旅行者として街を歩いているとよくわかる。と同時に、旅先の街のセンスには、自分が他所者でしかないことを思い知らされるのでもある。『俳諧歳時記・夏』(1968・新潮文庫)所載。(清水哲男)




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