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January 0612008

 末の児に目くばせをして読む歌留多

                           吉田花宰相

めばだれしもが微笑んでしまうような、かわいらしい句です。季語は「歌留多」、もちろん新年です。昨今の、難解なマニュアルを読まなければはじめられないゲームとは違って、昔の遊びは、単純ではあるけれども、それだけにどんな年齢の子にも、その年齢にあった遊び方ができたように思います。歌留多を読んでいるのはお父さんでしょうか。日ごろは子供と時間を費やすことなど、ましてや一緒に遊ぶことなどめったにありません。子供たちにとっては、そのことだけでも、いつもの時間とは明確に区別された、特別な日であったのです。普通に遊べば当然のことながら、年齢の上の子が、次々と札を取ってゆきます。それでも泣きもせずに札に目を凝らしている末っ子に、一枚でも多く取らせてあげたいと思う気持ちは、親でなくとも十分にわかります。おそらく次の読み札は、末っ子のひざの前にある絵札だったのでしょう。「次はあれだよ」という目配せは、あたたかな、間違いのない親子間のコミュニケーションです。読み始めたとたんに札をとって得意げな顔をしている末っ子の顔。これ以上に大切なものは、めったにありません。『微苦笑俳句コレクション』(1994・実業之日本社)所載。(松下育男)




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