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February 1122008

 春の雪ふるふる最終授業かな

                           巻 良夫

校三年の最後の「授業」だろう。三月のはじめには卒業式があるので、最終授業は二月の中旬から下旬のはじめくらいか。最終授業を受ける気持ちは、もとより生徒それぞれに違うのだが、ただ共通の感慨としては、やはり今後はもう二度とみんなでこんなふうにして一緒に勉強をすることはないという惜別のそれだろう。この授業が好きか嫌いかなどは問題外であり、誰もがやがて否応なく訪れてくる別れの時を意識して、平素よりも神妙な顔つきになっている。折りから、外は春の雪だ。「ふるふる」と言うくらいだから、かなり激しくぼたん雪が降っている。そしてこの激しい降りが、教室内のみんなの心情をいっそう高ぶらせる。みんながセンチメンタルな気分に沈んでゆく。それは一種心地よい哀感なのでもあり、また暗黙のうちに連帯感を高める効果も生むのである。かくして後年には甘酸っぱい思い出となるのであろう最後の授業は、表面的には実に淡々と、いつもと同じように終わりに近づいていくのだった。現代俳句協会編『現代俳句歳時記・春』(2004・学習研究社)所載。(清水哲男)




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