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December 28122008

 差引けば仕合はせ残る年の暮

                           沢木五十八

日の句を読んで、人というのはなんとも健気なものだと感じたのは、わたしだけでしょうか。それなりに幸せだったと、この一年の結果に納得したいと思っているわけです。もちろんだれに判定してもらうわけでもなく、問いかけているのも、やさしげに答えているのも、自分自身でしかありえません。経ってしまえば、一年はとても短く感じられはするものの、日々、さまざまなことに一生懸命に取り組んできた時間は、恐ろしいほどに長く、濃密なものです。つらかったことと、よかったと思えること、それを左右に積み上げて「はかり」で計れるわけのものではなく、所詮は来年へ向けて生きようとする勢いに役立てようとして、自分に問いかけているだけのことです。また、今は不幸せの部類に仕分けられた事柄も、将来大きな「仕合せ」に転じるかも知れず、一概に一年を「仕合せ」か「不幸せ」かで締めくくるのは、無理があるのかなとも、思います。ともかくも、人と比べてどうかではなく、作者はあくまでも自身の中での問題として考えているわけですから、詳しい事情はわかりませんが、「それでいいんじゃない」と、答えてあげたいと思うのです。『角川 俳句大歳時記 冬』(2006・角川書店)所載。(松下育男)




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