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January 2412009

 静寂はラグビーボール立ててより

                           松村史基

グビーのゴールポストはH字形で、2本のポールの幅は5.6メートル、高さは国立競技場で13メートル。地面から3メートルの高さにクロスバーが渡してある。地面に置いたボールを蹴ってゴールをねらうゴールキックの場合、ポールの間、クロスバーの上を通過すれば得点。ゴールに上限はなく、要するに2本のポールは、空に向かって伸びる平行な直線なのだ。キッカーはひたすら5.6メートルの隙間をねらい、空へ向かってボールを蹴る。そこにはサッカーのようなディフェンスとのかけひきはなく、自分との勝負。この句には、そんなラグビーのキックの本質がきちっとあり、切り取られている一瞬の静寂が、その前後の激しいプレーや、突き抜けた冬空をも感じさせる。ラグビーの句というと、冬のスポーツとしての激しさやスピード感、男らしさなどを詠んだものが多く、静寂は、というこの句、昨年朝日俳壇で出会って以来心に残っていたが、2008年の朝日俳壇賞受賞。「朝日俳壇」(「朝日新聞」2009年1月12日付)所載。(今井肖子)




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