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March 2132009

 大男にてもありける利久の忌

                           相生垣瓜人

休忌(利久忌)は、旧暦二月二十八日。今年でいうと、三月二十四日にあたる。そして利休の身長は、残されている鎧から推測すると180cm位だったらしい。利休、茶道、侘び茶という連想から、こじんまりと枯れた雰囲気の人物像を勝手に想像してしまっていたが、考えてみれば戦国時代、お茶を点てるのも命がけであり、利休にしろ始めからおじいさんだったわけではない。それにしても、秀吉の身長が、通説の140cmは不確かとはいえ、少なくとも小柄だったことは間違いないとすれば、二人の心理的関係の別の側面も想像される。この句は、利休は大男であった、という、ちょっと意外とも思われる事実を、やや詠嘆をもって詠んでいる。それを知っていれば、そうなんだよね、と思いながら、知らなければ、へえそうなんだ、と思いながら、利休の生涯にそれぞれがふと心を留めるだろう。正座と和菓子が大の苦手で、茶道はとても近寄りがたいが、利休という人物にはちょっと興味をひかれるのだった。「新日本大歳時記 春」(2000・講談社)所載。(今井肖子)




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