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August 1582009

 人棲まぬ島にもみ霊敗戦忌

                           松本泊舟

日という日もこの句も、言わずもがな、だろう。棲、という文字が語る、太平洋上の名もない島に眠る戦没者への鎮魂の心は、戦争を体感していない者にも伝わってくる。季題として考える時、終戦の日か敗戦の日か、戦争体験世代の意見はさまざまのようだ。だいたい終戦記念日というのはおかしいのでは、いや後世まで忘れない、という意味で記念なのだからいいのだ等も。この句の場合、敗戦忌。終戦忌、敗戦忌は俳人による造語、というが、掲出句は『文学忌俳句歳時記 大野雑草子編』(2007・博友社)に載っていた。文人の忌日をまとめた歳時記なのだが、そこに、個人の忌日に混ざって、原爆忌(広島忌)、長崎忌(浦上忌)、終戦記念日(終戦忌・敗戦忌)が立てられている。数々の個人の忌日同様、忘れることなく詠み継いでいって欲しい、という編者の祈りにも似た願いが感じられる。(今井肖子)




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