サッカーもよいけれど、消費税問題などに食らいついた記事を書け。(哲




2010ソスN6ソスソス20ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

June 2062010

 父の日の忘れられをり波戻る

                           田川飛旅子

日は父の日、ということでせっかくなので父の日の句です。手元の歳時記で父の日の句を調べてみれば、たしかに何句かはあるものの、すでに清水さんがこの欄で過去に採り上げており、選択肢はおのずと狭まってしまいます。(季語検索で「父の日」を参照してください)父の日に限らず、記念日を詠んだ句には、どうしても句の内容をその日に強引に結び付けようとする心持が働いて、どこか無理があるなと感じるものが多いようです。あるいは、記念日の意味にぴったりと付いたものになって、発想の広がりに制約ができてしまうこともあります。また、その記念日から、誰もが連想するものを素直に読者と確認しあうものもあります。本日の句は、そういった確認句のうちのひとつ。父の日がつい忘れがちになってしまうという、だれもが感じる、母の日との受け止め方の違いを詠んでいます。ただ、最近はデパートやコンビニの宣伝もあって、町のいたるところに「父の日のプレゼントは?」という文字が見られるようになってきたため、本日の句の感慨も、若干違ってきています。とはいうものの、母という文字の重さには、どんな時代になっても到底適いはしないなと、子の父であるわたしも、めずらしくプレゼントされたウイスキーを眺めながらつくづく思うわけです。『合本 俳句歳時記第三版』(2004・角川書店)所載。(松下育男)


June 1962010

 息づかひ静かな人と蛍の夜

                           茨木和生

種の蛍は、たくさんいても同じリズムで光るのだという。まだ薄明るい空を時々仰ぎながらじっと待っていると、ひとつ、またひとつ光り始め、気がつくと蛍の闇の中にいる蛍狩り。そのリズムが、熱を持たない光を、蛍の息づかいのように感じさせるのだろう。残念ながら私は、子供の頃近所の川で見たとか、句友数人と蛍狩りに行ったとかいう記憶しかない。この句の作者は、二人並んで同じ蛍を見ながら、同じ時間を過ごしていることに、同じ空気を吸っていることに、静かな喜びを感じている。まわりにたくさん人がいて話し声がしていても、作者に聞こえるのは目の前の蛍の鼓動と、隣にいる人のかすかな息づかいだけ。女流作家の蛍の夜の句とはまた違った艶を持つ句、遠い記憶の中の忘れられない蛍の夜、なのだろうか。『畳薦』(2006)所収。(今井肖子)


June 1862010

 新緑やまなこつむれば紫に

                           片山由美子

をつむったときに見える色や形がある。あれは何だろう。今眼をつむるとまっくらな空間に明るい方形のかたちがみえる。泡のようなものが通り過ぎていくこともある。作者は、新緑の中で眼をつむったその「視界」が紫に見えた。外の緑と内なる紫が美しい調和になっている。これは思念ではないからむしろ即物写生の句である。「俳句」(2009年7月号)所載。(今井 聖)




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