January 012011
新年や人に疲れて人恋ふる
梧 六和
明けましておめでとうございます。お正月の句を、と思いながら探すうち出会ったこの句の作者は、集まった親戚やひっきりなしに訪れる賀客に疲れているのか、初詣に行った神社か初売りの人混みに疲れているのか。いずれにせよ、年が改まったら一番に会いたい人には会えずにいるのだ。それは友人か、家族か、それとももっと特別な人か。一人で居る時しみじみ思うよりも、たくさんの人に囲まれながら、今傍にいないその人を思う瞬間の方がより強く自分の思いを感じるものだろう。恋われているその人も、同じようにふと作者を思っているのかもしれない、などとあれこれ思いをめぐらせながら読んだ。『図説 俳句大歳時記 新年』(1965・角川書店)所載。(今井肖子)
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