吉祥寺駅の改修工事はいつ終わるのか。通るたびに憂鬱になる。(哲




2011ソスN2ソスソス6ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

February 0622011

 大学レストランカレーにほはす春浅く

                           山口青邨

十年代初めに早稲田大学に通っていました。時々その頃のことを思い出します。本当は経済を学ばなければならなかったのに、高田馬場の古本屋で、詩集ばかりを立ち読みしていました。帷子耀、山口哲夫、金石稔など、当時まぶしかった詩人を、何時間も食い入るように読んでいました。友人があまりいなかったので、学食ではたいてい一人でうつむいて食べていました。40年経った今でも、あの時のうどんの値段だけは覚えています。30円、メニューの中で一番安くて、よく食べていたから。本日の句にあるように、学食に入った時に匂うのは、うどんではなくカレーのほうです。ああ食べたいなと思って、それから財布の中身を確認して、うどんにするか、あるいはたまにはカレーにするかを決めるわけです。懐かしいなと思うあの日々は、私の人生の春も、まだ春浅くでありました。『角川俳句大歳時記 春』(2006・角川書店)所載。(松下育男)


February 0522011

 鉛筆をまだ走らせず大試験

                           高瀬竟二

試験は、入学試験、卒業試験、進級試験などをいうが、現在は俳句にしか見られない言葉だろう。二月から三月はどうしても、受験や大試験の句に目がいってしまう。この句は、大切な試験なのだからともかく問題を熟読、慌てないでよく考え構想を練ってから書こう、という落ち着いた様子とほどよい緊張感が感じられる。つい、試験監督をしている視点で読むと、走らせず、にやや不安感が見え、試験が始まってしばらく経つのに鉛筆を握りしめたままかたまっている受験生が見えてしまう。でもここは、走らせないのは意志であり、沈思黙考する姿は溜めた力を一気に出して合格することを暗示している、と読みたい。『初鶏』(1998)所収。(今井肖子)


February 0422011

 若布干す鳩も鴉も寄つてくる

                           名取里美

ってくる鳩や鴉は若布を狙っているのではないだろう。浜に打ち上げられる雑魚の死骸などが目的か、あるいは干す人の温情にすがって何かもらうつもりだ。この場面から先、鳩や鴉は目的を達したのか。それが気になる。人を介護したり、犬猫を可愛がったり、孫になんでも買ってやろうとしているあなた、鳩と鴉にも少しでいいから喜捨を。『家族』(2010)所収。(今井 聖)




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