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May 0352011

 あたたかし老人ホームの地図記号

                           藤崎幸恵

老人ホームの地図記号
人ホームの地図記号は2006年に制定された比較的新しい記号である。2005年に国土地理院が風力発電車と老人ホームの新しい地図記号のデザインを公募し、老人ホームは家の中に杖がデザインされている鳥取の小学生の作品が採用された。公募作品優秀賞にはハートのマークや手に手を取っているようなかたちなど、どれも愛が強調されている作品が目立って多かった。以前ならおそらく老人の「老」の文字を意匠したものや、腰が曲がった老人そのものをイメージさせるものが採用されたかと思う。老人ホームは、以前の家族が手に負えずやむなく世話になる場所という印象から、高齢者が安心して暮らせる施設としてイメージを好転させてきた。この先もっと明るく充実した場所になればいいと思う。数十年先にはおそらくお世話になるに違いない私にも、あらためてこの記号がほっこりあたたかく、愛おしく見えてくるのである。『異空間』(2011)所収。(土肥あき子)


January 2612012

 用水路に余り温泉(ゆ)流れ雪催

                           藤崎幸恵

前、冬の水上温泉へ行ったことがある。さらに奥にある秘湯、宝川温泉行きのバスを待つため、市内をぶらぶらしていたのだが、川沿いの道路にスプリンクラーがあって凍結防止なのか絶えず温泉の湯が放出されているのが印象的だった。雪景色に湯気がたつのが温そうだった。湯治場で雪を眺めながら露天風呂に入るのも気持ちがよかった。掲句は「雪催」だから、雪が降る前のどんより曇った空に足元からしんしんと冷えがあがってくる、そんな天気なのだろう。ああ、寒い、側溝の用水にたつ湯けむりが暖かそう。早く熱い温泉(ゆ)にゆっくりと浸かりたい。掲句の背後からそんな声が聞こえてきそうだ。私も温泉に行きたいなぁ。『異空間』(2011)所収。(三宅やよい)


July 1472012

 ムームーの中の中腰波になる

                           藤崎幸恵

ームー、個人的にはまさに夏の思い出なのだが、手元の歳時記には見あたらず、『ハワイ歳時記』(1970・博文堂)には、アロハシャツの傍題となっているが例句はない。大辞林に、ハワイの女性が着る、ゆったりした派手な柄の木綿のワンピース、とあるので、民族衣装という位置づけなのだろうか。掲出句のムームーもフラダンスを踊っていて、特に夏でなくてもいいと言われればそうなのだが、絶妙な表現によって、大胆な柄に覆われた女性の腰のなめらかな動きから感じられる波は、やはり真夏の碧い海のものだろう。子供の頃、母の手作りムームーを母娘三人おそろいで着ていた。今思えば丈がやや短く、あっぱっぱとかサンドレスと呼ばれるものだったが、すとんとしたシルエットのそれをみんなムームーと呼んでいて、特にリンゴ体形の母の夏には無くてはならない普段着だったのだ。「異空間」(2011)所収。(今井肖子)




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