戸籍謄本を取ったら「戸籍全部事項証明書」となっていた。(哲




2011ソスN12ソスソス4ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

December 04122011

 初雪を見てから顔を洗ひけり

                           越智越人

浜とか東京とか、関東平野に長く住んでいると、初雪というものに対する感慨はそれほどありません。朝のニュースで、「昨日は東京にも初雪が降りました」と聴いても、ああそうかと思うだけです。というのも、目を細めなければ見えないほどのかすかな降雪が、短時間あるだけだからです。でも、積雪を経験する地域の人にとっては、「初雪」というのは特別な意味を持っているのでしょう。雪の中の生活への、境目としての重要な意味があるわけです。江戸期の俳人越山が見た初雪はどちらだったのでしょう。今の生活と違って、窓のない部屋の中で洗面を済ましたのではなく、外にむき出しの縁側を通り、顔を洗ったのではないでしょうか。季節の境目としての重い「初雪」を、日常の動作の中で軽くむかえる事。そのギャップの面白さをこの句から、読み取れるのではないでしょうか。『日本大歳時記 冬』(1971・講談社) 所載。(松下育男)


December 03122011

 押入をからつぽにして布團干す

                           草野駝王

れを書いている今日は気持ちのよい冬晴れ、この句が生まれた日もきっと今日のような青空が広がっていたことだろう。布団を運んで並べ叩き整え、さてあとはよろしくお日さま、と思う時の満足感が伝わってくる。押し入れは、布団を干したから今はからっぽになったのだが、からっぽにして、と言われるとなお、存分に日を浴びている布団が幸せそうに目に浮かぶ。掲出句は『現代俳句全集』(1953・創元社)という古い文庫本にあった。作者は明治三十四年生まれ、そう知ると、からつぽにして、は新しかったのかもしれないなと思う。ホトトギス作家編(I)として130人ほどの作品が一人概ね30句、淡々と太い句が並んでいる。(今井肖子)


December 02122011

 新大久保の大根キムチ色の空

                           夏井いつき

浜に住んでいて昔ながらの繁華街伊勢佐木町はかなり東南アジア系の店が増えていることを実感する。最初はおっかなびっくりでなんとなく敬遠していた異国料理の店もそのうちみんな抵抗なく通うようになる。新大久保もそうだ。風俗系の店が多い印象だったのが、今や人気のある韓国料理の店に行列が出来ている。大根キムチの色の空は夕方かな。白い雲に夕焼けが薄く滲んでいる。この大根が季語かどうかなどという論議は無用。そもそも日本的なるものが無国籍のはちゃめちゃな面白い情緒に姿を変える。そこでも俳句はちゃんと生きていける。そういう主張とエネルギーに満ちた句だ。俳句マガジン「いつき組」(2011年12月号)所載。(今井 聖)




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