原発再稼働、民主が容認へ。こういうことだけは素早い。(哲




2012ソスN2ソスソス17ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

February 1722012

 一草も眠らず朧月夜なり

                           島田葉月

の夜の万象萌え出づるがごときざわめきが聞こえてくる。一草も眠ることがない。これは躁の句だ。ハイテンションそのもの。眠らなくても良ければ人生は二倍生きられる。不夜城という言葉もある。春宵一刻値千金、だから眠らずにいようよという句。不眠不休じゃいやだけど。『闇は青より』(2012)所収。(今井 聖)


February 1622012

 いのうえの気配なくなり猫の恋

                           岡村知昭

だまだ寒いのに猫はとっくに春の訪れを感じ取っているようである。先週ぐらいからあちこちでウンニャー、フニャーと奇怪な鳴き声が聞こえる。それにしても「いのうえ」って誰?なぜひらかなで書かれているのだろう「いのうえ」を手掛かりに句に背景を探そうとしても詮方ない。「お好きにどうぞ」と言った抛りだし方である。それだけに、顔の見えない人物が気になってくる。「いのうえ」は猫にとって警戒を要する人間であるらしい。大事な飼猫に浮かれ猫が近付かないよう監視しているのか、サカリのついた猫を見ると棒を振りあげる危険な人物なのか、ともかくも「いのうえ」の気配がなくなった路地を、塀を猫は小走りに駆け抜け、夜通し鳴き続けることだろう。『俳コレ』(2011)所載。(三宅やよい)


February 1522012

 大腸の如き路地あり冬銀河

                           長谷邦夫

の「路地」は特定しなくとも、どこの街にもあって猥雑な雰囲気をもった路地を想定してかまわない。でも、作者は「新宿漂流」なるタイトルで詠んだいくつかの俳句がある、と断わっているからこれは新宿にある路地だろう。大腸のようにうねくねとした新宿の路地と言えば、酒場が軒をつらねている界隈ということになろう。すっきりととりすました健やかな界隈ではあるまい。深夜、酔って良い機嫌になった連中が、うるさい声をあげながら路地をうろつきまわっている光景が見えてくる。ふと見あげれば冴えわたる冬空に、銀河がくっきり横たわっている。銀河と路地、どちらもうねっているという対比。邦夫は「少し古い新宿を知っておられる方ならば、多少は感じていただけるか……」と付記し、さらに「これはゴールデン街内にはない店や場所を詠んでいる」と断わっている。とすると、さてどこらあたりか? まあ、新宿にはゴールデン街や柳街、小便横丁に限らず、大腸や小腸のごとき路地はあちらこちらにあった。邦夫は詩人でもあり、赤塚不二夫を支えた漫画家。かつて清水昶の「俳句航海日誌」にも、多くの俳句を書きこんでいた。他に古い新宿を詠んだ句に「永き日や『風月堂』で一茶論」がある。『桜三月散歩道』(2011)所載。(八木忠栄)




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