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April 1742012

 ひねりつつものの種まく太き指

                           森 俊人

参も大根も、種を初めて見たときは心細いほど小さくて驚いた。その小さい種を、溝にそって一列に蒔いたり、一カ所に数粒ずつ蒔いていく。家庭菜園は収穫が最大の楽しみだが、育てる喜びを味わえることも大きいという。掲句では上五の「ひねりつつ」に作物への愛情が感じられる。ひと粒ひと粒にしっかりと体温を伝えるように、種は大地へと戻される。ふっくらと土に包まれ、たっぷりの太陽の日差しを浴び、ときには恵みの雨を経て種はしっかりと根付いていく。作者は、やわらかな芽吹きや、たわわな収穫の姿をなだらかな黒い土の上に描きながら、太い指先からまるで生み出すように種をこぼすのだ。そういえば、友人から大葉の種がもらったままになっていることを思い出した。栽培カレンダーによると、種まき4月が適当であり、初心者にも育てやすいとある。まずは大葉で、健やかな収穫の喜びを味わってみようかと思う。『自在』(2012)所収。(土肥あき子)




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