新暦のお盆。東京辺りでは一般的だが、どうもなじめない。(哲




2012ソスN7ソスソス14ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 1472012

 ムームーの中の中腰波になる

                           藤崎幸恵

ームー、個人的にはまさに夏の思い出なのだが、手元の歳時記には見あたらず、『ハワイ歳時記』(1970・博文堂)には、アロハシャツの傍題となっているが例句はない。大辞林に、ハワイの女性が着る、ゆったりした派手な柄の木綿のワンピース、とあるので、民族衣装という位置づけなのだろうか。掲出句のムームーもフラダンスを踊っていて、特に夏でなくてもいいと言われればそうなのだが、絶妙な表現によって、大胆な柄に覆われた女性の腰のなめらかな動きから感じられる波は、やはり真夏の碧い海のものだろう。子供の頃、母の手作りムームーを母娘三人おそろいで着ていた。今思えば丈がやや短く、あっぱっぱとかサンドレスと呼ばれるものだったが、すとんとしたシルエットのそれをみんなムームーと呼んでいて、特にリンゴ体形の母の夏には無くてはならない普段着だったのだ。「異空間」(2011)所収。(今井肖子)


July 1372012

 河尽きる灯のあるところ夜具のべられ

                           林田紀音夫

ームレスの人の様子に見える。河尽きるは海辺ということだろう。考えてみれば日本の都市のほとんどは海辺にある。海に囲まれた国ですからね。このごろ話題の生活保護費の不正受給の人なんかよりホームレスの人はどこか誠実に思える。そもそも住所不定では生活保護も受けられない。少し前だったか、新入社員研修で路上で何日か寝起きすることを課した会社があった。人の足元からの目線が営業においては大切だというような理屈だったような。俳人も路上吟行と称して人間と情況のウオッチングなんかも現在に深く切り込めるかもしれない。「俳句界」(2008年6月号)所載。(今井 聖)


July 1272012

 蛍の夜右が男の子の匂ひ

                           喜田進次

もとっぷり暮れて、あたりは真っ黒な闇に包まれてゆく。青白い火が一つ瞬いて、気がつけばあちらにもこちらにも蛍が見えてくる。胸のあたりに並んだ子供の頭がときどき揺れて、汗ばんだ身体や髪から日なたくさい匂いが上がってくる。右側にいるのが男の子だろうか。普段は意識しないけど、そうやって比較すれば女の子の方が涼しげな匂いがしそうな気がする。暗闇にたたずみ蛍に見入っていると闇にいる動物のように五感が鋭くなり、匂いに敏感になるのかもしれない。こんな句を読むと、息をつめて川岸の蛍を見つめている雰囲気がまざまざとよみがえってくる。歓声を交えてざわめく人の声や、湿った草いきれ、川のせせらぎまで聞こえてきそう。今も、蛍は飛び交っているだろうか。いっぱいの蛍が群れてクリスマスツリーのように光る樹を見に行きたい。「家に着くまで夏雲の匂ふなり」「銀行の前がさびしき天の川」『進次』(2012)所収。(三宅やよい)




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