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September 0892012

 天国はもう秋ですかお父さん

                           塚原 彩

年のこと、ちょっとぐっと来ちゃったんですよ、と言って知人が教えてくれた。「授業 俳句を読む、俳句を作る」(2011・厚徳社)という本の表紙に書かれたこの句に惹かれて思わず買ってしまったという。検索してみると新聞にも取り上げられた有名句とのこと、その素直さが人の心を打つのだろう、一度聞いたら忘れられない。ただ句に対する印象は、時間が経つにつれ変わってきた。初めは、お父さん、という呼びかけが切なく感じられたのだが、だんだん静かで平穏な響きをもつようになってきたのだ。あらためて考えると、もう、という言葉に一番ぴったりくる季節は確かに秋、さびしいというよりしみじみというところか。青さの増してきた空一面にひろがる鰯雲を見上げていた作者は、この句の言葉遣いの折り目正しさそのままに、背筋を伸ばして前を向いて生きていることだろう。(今井肖子)




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