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February 0422013

 立春の日射しへ雪を抛り上げ

                           大滝時司

日立春。「ちっとも春らしくないな」という人がいるけれど、立春は春のはじまる日なのであって、春ではない。灰色に塗りつぶした画用紙の隅っこくらいに、ぽつんと緑か黄色の点を打ち、この点を春と見立てた感じである。つまり、季節はまだまだ冬の色のほうが勝っているということだ。東京辺りでもそんな具合だから、北国は依然として冬の真っ盛りにある。毎日のように雪が降るし、除雪作業に追われる日々はつづいたままだ。でも逆に、そんな土地柄だからこそ、「春」という言葉には鋭敏なのである。立春と聞いて明るい心になるのは、雪の少ない地方の人よりも、だんぜん雪国の人のほうが多いだろう。この句には、その気分がよく出ている。珍しく晴れた立春の日射しに向かって、勢いよくスコップの雪を抛り上げる作者の動きは軽快だ。明日も明後日も除雪作業はつづいていくのだが、作者の心には早や雪解け水のように明るいものが流れはじめているのである。『新版・俳句歳時記』(2001・雄山閣出版)所載。(清水哲男)




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