主権回復の日、だと。当時切り捨てられた人々の気持ちを考えよ。(哲




2013ソスN4ソスソス28ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

April 2842013

 咲き誇りたる北大のチューリップ

                           秋沢 猛

年度から、はやひと月が経とうとしていますが、通勤電車はまだ混んでいます。四月は希望をふくらませる月です。プロ野球ファンしかり、大学生もまたしかり。四月の大学のキャンパスは、一年で一番にぎわいます。新入生はもちろん、出席不良でなかなか単位がとれなかった筆者のようなダメ学生も、ゴールデンウイークの前までは、せっせと開幕ダッシュをしておりました。北海道大学、道民の憧れである北大のキャンパスを歩く新入生は、咲き誇っている色とりどりのチユーリップのような明るい心持ちでしょう。北国の春はこれからです。掲句は、広いキャンパスに咲き誇るチューリップに、北大生の誇りと大志を重ねています。「咲き誇り」という大仰な表現も、学生の姿とチューリップの色彩を重ねることで、一句のなかでなじんでいます。また、北大がもつバンカラで大らかなイメージにもむすびつき、東大や京大や九大や早慶よりも、北大にはチューリップが似合います。「俳句歳時記・春」(角川ソフィア文庫・2012)所載。(小笠原高志)


April 2742013

 旨さうな「うどん」といふ字春の雨

                           岩崎ゆきひろ

どん、とひらがなで書くと、うどんに見えてくる。ことに、ん、の曲線がうどんぽくて、なるほどなあ、と。先月本屋で見かけた雑誌には、うどんの国ニッポン、の見出しと共に、手打うどん、の文字が黒々と躍っていた。うどん屋の看板をあれこれ見てみると、確かに太く勢いのあるものが多くその文字を見ると、ゆでたてのぶっかけうどんを勢いよく啜りたくなるのだ。掲出句、看板を明るく濡らす春の雨である。このところ冷えこんでいる東京の雨には春雨の艶やかな印象は乏しく、育ってきた緑をしっとりと包んでいて、こんな日なら暖かい汁たっぷりのうどんが食べたくなりそうだ。いずれにしても、春の雨、が一句に広がりを与えて詩にしている。『蟹の恋』(2012)所収。(今井肖子)


April 2642013

 山桜あさくせはしく女の鍬

                           中村草田男

は俳句に何を求めるのだろうか。俳味、滋味、軽み、軽妙、洒脱、飄逸、諷詠、諧謔、達観、達意、熟達、風雅、典雅、優美、流麗、枯淡、透徹、円熟、寓意、箴言、警句等々。仮にこんな言葉で自分の句を評されてもちっともうれしくないな。草田男の句はこのどれにも嵌らない。人は何故生れたのか、何のために生きるのか、何をするべきなのか、どこへ行くのか、「私」とは何なのか、そんなことを考えさせてくれる作家だ。「あさくせはしく」が原初の性への認識を思わせる。また草田男の季語の使い方にはグローバルで普遍なるものを個別日本的なるものの上に設定しようとする意志を感じる。彼が花鳥諷詠を肯定したのもそういう理由からであったと思う。『朝日文庫・中村草田男』(1984)所収。(今井 聖)




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