安倍内閣の支持率が再び上昇。何がなんだかわからない。(哲




2014ソスN1ソスソス14ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

January 1412014

 東京は寒し青空なればなお

                           高野ムツオ

京という文字には、都会・混雑・高層ビル群など、全てのイメージが詰め込まれている。宮城在住の作者の感じる東京の寒さとは、気温だけではなく、人間性や景色も含まれるものだ。高層ビルの隙間に見える空の切れ端が抜けるように青ければ青いほど、その無機質の物体との取り合わせが不気味に寒々しく感じさせるのだろう。そういえば、実家の母もひとりで東京には出てこない。やはり「寒いから」が理由で、それは静岡という温暖な場所に住んでいるせいだと取り合わなかったが、もしかしたら母もまた、気温とは別の寒さを訴えていたのかもしれないと、鈍な娘は今さらながら思い至ったのだ。〈瓦礫みな人間のもの犬ふぐり〉〈みちのくの今年の桜すべて供花〉『萬の翅』(2013)所収。(土肥あき子)


January 1312014

 成人祭ビルによきによきと育ちをり

                           武貞啓子

年の新成人人口は122万人。女よりも男のほうが少し多い。句作年度はわからないが、少なくとも十数年以上は前の句だろう。いわゆる高度成長期で、ビルが「によきによき」と建っていたころ、同じように数多くの若者たちも勢い良く育っていった。人間を建物のようにみなすのはユニークな発想だが、しかしそれが不自然ではなく受け取られるほどの「活気」があったのも間違いない。新成人の数は、第1次ベビーブーム世代の昭和24年生まれの人が成人に達した昭和45年が246万人で最も多くなった後,減少に転じ,53年には152万人。その後,昭和50年代後半から再び増加傾向を続け,第2次ベビーブーム世代の人が成人に達した時に200万人台(最多は平成6年207万人)となった後,平成7年に再び減少に転じて以降は減少傾向を続けており、今後の増加は見込めない。遠い未来のいつの日にか、再びこの句がすんなりと受け入れられる時代は来るのだろうか。『未来図歳時記』(2009)所載。(清水哲男)


January 1212014

 親しきは酔うての後のそば雑炊

                           吉村 昭

しい友と気がねなく盃を酌み交わし、いい感じで酔いが回った最後のしめにそば雑炊を注文する。これは、ある程度年かさのいった男達の句である。女子会ならば、しめにはデザートを注文するだろう。しかし、おじさん達は気もちよく飲むと、そば雑炊のようなしめを欲する。これは、生理的な欲求に近い。皆、一致団結してそば雑炊を注文し、ずるずる音をたててかき込み、男達の飲み会はお開きになるのである。だから、下腹も出てくるだろう。新年会のシーズンである。当方もしめはそば屋であった。それにしても、そば雑炊とは贅沢だ。自分で作ってもみたいが、これは、品のよい料理屋で出てくる一品だろう。なお、優れた小説を数多く残した吉村昭は、学習院大学時代、岩田九郎先生の「奥の細道」の授業中、「今日もまた桜の中の遅刻かな」と書いた紙を教壇の机に置いたというエピソードを、奥方の津村節子が書いている。岩田先生は、むしろご機嫌だったとも。「炎天」(2009)所収。(小笠原高志)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます