今日も悪路なんだろうなあ。しかし、買い物に出かけなければ。(哲




2014蟷エ2譛16譌・縺ョ句(前日までの二句を含む)

February 1622014

 飛ぶ雲の浮べる雲となりて木瓜

                           水原秋桜子

月の初旬から、毎日空を眺めて仕事をしています。現在、紀伊半島の鎮守の森と祭を撮影移動中で、風の吹き具合によって被写体の姿が変わります。熊野本宮大社の旧本殿跡地には、高さ30m程の大鳥居があって、それを真下からしばらくの間見上げていると、鳥居が徐々に動き始めたのです。立ちくらみかと思いましたが、鳥居のはるか上空を走る雲が見せた錯覚でした。春先の雲は、時に鳥よりも速く飛びます。掲句はそんな、疾風のごとく飛ぶ雲を眺めていますが、遠ざかるにつれて動きはゆるやかになり、「浮べる雲」になっていきました。句は上五から順に、速い動き、ゆるやかな動き、そして木瓜(ぼけ)の動かないたたずまいへと移行して、視点も空から地上へとゆっくり落ちています。雲の動と木瓜の静。しかし、木瓜の花びらが落ちていく動きの余韻を残しています。「水原秋桜子集」(1984・朝日文庫)所収。(小笠原高志)


February 1522014

 春の雪波の如くに塀をこゆ

                           高野素十

前歳時記でこの句を見たとき、あまりピンと来なかった。春の雪は降ったそばから光に溶けてしまうようなイメージで、波の如く、という感じが今ひとつわからなかったからだ。そこへ先週の雪、牡丹雪というにはあまりに細かい雪の粒が止む気配もなく降り続き時折の強風にまさに、波の如く、を実感した。傘をたたんでフードをかぶり、これを吹雪って言ったら雪国の人に叱られそうだけど吹雪だね、などと言い合いながら歩いたが、やや水っぽい春の粉雪は風に乗って塀を越え屋根を越え、東京を覆っていった。溶け残った雪にいつまでも街は冷たいままだが、日差しは確実に明るくなってきている。『合本俳句歳時記』(2008・角川学芸出版)所載。(今井肖子)


February 1422014

 脱いである褞袍いくたび踏まれけり

                           波多野爽波

袍(どてら)は、厚く綿を入れた防寒のための日本式の上着。何か用があって、脱いだ時、きちんと衣紋掛けにかけずに、その辺りに、放っておいたのである。それも、ちょうど、人が通る場所だったので、何回も踏まれてしまった。滑稽味のある作品である。爽波には、〈だから褞袍は嫌よ家ぢゆうをぶらぶら〉(『波多野爽波全集』第二巻収録)という句もある。『一筆』(1990)所収。(中岡毅雄)




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