厳しい寒さは今日まで。来週から徐々に気温が上がってくるようだ。(哲




2014ソスN2ソスソス22ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

February 2222014

 かまくらに触れいてふっと海のこと

                           小松田吉一

週末大雪の中、平常時のほぼ二倍、東京から八時間かけてたどりついた横手には、本物の雪と本物の寒さと初めて見るかまくらが待っていた。掲出句は、二月十六日に開催された、横手かまくら吟社主催の第四十四回かまくら探勝全国俳句大会での一句。灯のゆれるかまくらに新しい雪が降り積んで、思わずふれてみると思いの外やわらかかったのだが、同じようにかまくらにふれた作者の心にはふっと海が浮かんだのだという。ただ単に、幻想的、という言葉では言い表せない何かが、海、の一語に広がってゆく。白い雪に包まれてあおあおと暮れながら雪国は夜に沈んでいった。(今井肖子)


February 2122014

 夜着いて燈はみな春や嵐山

                           波多野爽波

事の都合だろうか。目的地に到着したら、夜だった。あちこちに明かりが点っている。その明かりは、みな、春なのだという感慨。無事に着いた安堵感をこころにしながら、灯しはどれもみな、キラキラと燦めいて見える。「や」の切字は、思いの深さを語っている。下五「嵐山」ではじめて到着地点が明かされるが、作者の京都への思い入れは格別。「炬燵出て歩いてゆけば嵐山」という軽妙洒脱な句もある。(中岡毅雄)


February 2022014

 春の闇自宅へ帰るための酒

                           瀬戸正洋

いていると、仕事や自分の不甲斐なさ、同僚や上司の言動などに腹が立ち、収まりのつかないまま退社する夜もあるだろう。残業して遅くなっても、すんなり自宅へ帰る気持ちになれない。外のごたごたを家に持ち込まないため感情の捨て場が必要なのだ。酒を友にして気の置けない飲み屋で気持ちを静める。そういう読み方とは別に自宅が怖すぎて、帰れないケースだってあるかもしれない。競い合うようにみんな不機嫌。こちらの場合は火宅に帰る勢いをつけるための酒と言えようか。「春の闇」の柔らかさを思うと前者と考えたいがどうだろう。いずれにせよ酒は気を晴らすかけがえのない友であることに変わりはない。乾杯!『B』(2014)所収。(三宅やよい)




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