さあ、プロ野球開幕だ。いきなりの阪神巨人戦とは、面白い。(哲




2014ソスN3ソスソス28ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

March 2832014

 こつぽりの高さや地虫出でにけり

                           波多野爽波

っぽりは、裏をくりぬいてある下駄。多く、舞妓や女児が用いる。爽波は、若い頃、祇園で蕩尽していたので、舞妓のイメージで作ったのではあるまいか。こっぽりには、少々、高さがある。その高さまで、冬籠もりをしていた地虫が、出て来たというのである。実際に、地虫がこっぽりの高さまで出たというのは、考えにくい。爽波独特のイマジネーションによる産物だと思う。この句、「こつぽり」の語が触発する艶やかなイメージと、「地虫出でにけり」のユーモラスな感覚が重なり合って、瀟洒な一句となっている。『骰子』(昭和61年)所収。(中岡毅雄)


March 2732014

 さくらさくら坂田利夫のやうな鯉

                           西原天気

っはっは、いるいる。水面にぼおーと丸い口を開けてなにやら愛嬌のある目玉がどこに焦点があっているかわからない感じで餌を待っている鯉の顔、「アホの坂田」と舞台に登場する坂田利夫の顔が二重写しになってクローズアップされる。確かに坂田利夫の底抜けの陽気さはさくら満開の春の雰囲気にぴったり。むかし吉本が今のように東京でもメジャーになる前、関西の深夜の番組で暴れまわっていたのが、坂田利夫と間寛平だった。当時は吉本興業がテレビの中心を席巻するとは夢にも思わなかった。それでも坂田利夫は昔と相変わらずのポジジョンで、池の中から時折浮かび上がってくる風情があっていい感じだ。今年の桜はいつごろが見ごろかな?『はがきハイク』(2013年5月号)所載。(三宅やよい)


March 2632014

 夜明けまづ山鳩鳴けり弥生尽

                           瀧井孝作

い寒いと言っているうちに、3月も終わる。今冬は異常気象と騒がれた日本列島、それでもようやく花は咲きはじめ、桜前線は北上している。山里か村里か、本格的な春をむかえた夜明け方、いち早く山鳩が一日のはじまりを告げるように低く鳴く。本格的な春=花の時節になって、あたりは活気をとり戻す。まだ「春眠暁を覚えず……」の季節だが、山鳩の声でやおら眠りから覚めた人のこころにも、春は遠慮なく踏みこんでくる。山鳩の一声につづいて、あたりにはさまざまな生命の音・生活の息吹が徐々に立ちあがってくるーーそんな光景を予感させてくれる句である。句作を多くした孝作には、「ビルディングみな日向なり暮れ遅き」「海苔あぶる手もとも袖も美しき」などの春の句がある。『瀧井孝作全句集』(1974)所収。(八木忠栄)




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