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May 2452014

 鎧戸の影白靴を放り出す

                           内村恭子

の鎧戸は、掃き出し窓のようなところの鎧戸だろう。休暇中の作者は本を読むのにもちょっと飽きて、目の前の海まで散歩に行こうかと立ち上がる。鎧戸の影は縞々、そこに白靴をぽんと投げると、白靴にも縞々の影ができる。ただそれだけなのだが、白靴の一つの表情に小さな詩が生まれていることに気づく作者なのだろう。鎧戸と白靴という二つの素材が、作為の無い景としてくっきりと切り取られている。同じ句集『女神』(2013)に<白靴を踏まれ汚れただけのこと>という句もある。美しい眉をひそめて相当むっとしている作者の様子が目に浮かぶが、お気に入りの白靴があるのかもしれない。(今井肖子)




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