プロ野球交流戦。やはりパは強いなあ。広島まさかの四連敗。(哲




2014ソスN5ソスソス25ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

May 2552014

 すりこ木で叩いて胡瓜一夜漬

                           長谷川櫂

理のよしあしは、ひと工夫で決まるもの。胡瓜を叩くひと手間で、たしかに味は変わりそう。台所に立つことを趣味とし、5枚のエプロンを着こなすこの身で、掲句のやり方を実行してみました。ゴマすり用の20cmほどのすりこ木を右手に持ち、まな板の上に胡瓜を置いて叩き始めます。叩いてみると胡瓜は案外硬く、一度や二度では全く変化はありません。五十回ほど万遍なく叩いて触ってみると、すこし柔らかくなっていますが、まだまだ外側はしっかりしていて、もっと叩いてやわらかくしていいよ、と胡瓜が言っているようにも思われてきて、結局、百回ほど叩いて、指で押すとすこしへこむくらいの柔らかさになりました。これはもう、ひと手間どころではないぞと思いつつも、すりこ木で胡瓜を叩く動作はなかなか楽しく、また、やや鈍く響く音は最近聞かれない類いの生活音で、約10分間ほど、三本の胡瓜を叩くこと三百回、それぞれを半分に切って塩をふり瓶詰めにしました。ただし、胡瓜はもう一本あって、それはあえて叩かず瓶詰めにし、翌日比較してみることにしました。差は歴然。叩いていない胡瓜は、きれいに切れますが歯ごたえが硬く、味もしみていません。一方、叩いた胡瓜は柔らかく、口の中でほぐれ、胡瓜の青くささに適度な塩味がしみ込んだ味わいです。料理作りと直結している五七五をもっと知りたくなりました。『鶯』(2011)所収。(小笠原高志)


May 2452014

 鎧戸の影白靴を放り出す

                           内村恭子

の鎧戸は、掃き出し窓のようなところの鎧戸だろう。休暇中の作者は本を読むのにもちょっと飽きて、目の前の海まで散歩に行こうかと立ち上がる。鎧戸の影は縞々、そこに白靴をぽんと投げると、白靴にも縞々の影ができる。ただそれだけなのだが、白靴の一つの表情に小さな詩が生まれていることに気づく作者なのだろう。鎧戸と白靴という二つの素材が、作為の無い景としてくっきりと切り取られている。同じ句集『女神』(2013)に<白靴を踏まれ汚れただけのこと>という句もある。美しい眉をひそめて相当むっとしている作者の様子が目に浮かぶが、お気に入りの白靴があるのかもしれない。(今井肖子)


May 2352014

 ちぎり捨てあり山吹の花と葉と

                           波多野爽波

祇に「山吹や葉に花に葉に花に葉に」の句がある。山吹の花が咲いている様子を描写したものだ。爽波の句は、太祇の句を思い出させるが、情景は全く異なっている。爽波の句は山吹の花と葉が、ちぎり捨ててある情景を詠っている。意味的には、「山吹の花と葉とちぎり捨てあり」だが、定型に収まるように、倒置法を用いている。前半の「ちぎり捨てあり」で一呼吸休止して、「山吹の花と葉」がおもむろに提示される。爽波写生句の代表作である。『湯呑』(昭和56年)所収。(中岡毅雄)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます