台風一過。いきなり真夏がやってきましたね。ビールが美味い。(哲




2014ソスN7ソスソス12ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 1272014

 背泳の背のすべりゆく蒼き星

                           光部美千代

つて個人メドレーの日本記録を持っていたという知人と、スポーツジムのプールで遭遇したことがある。その時四十代であった彼はその歳なりの体型であったが、水に入った瞬間、これが同じ水かと思うほど水が彼を受け入れ、まさにすべるような流れるような滑らかさで、ほとんど手足を動かさないまま二十五メートルのプールを往復した。掲出句はその時の感動を思い出させる。あの背泳ぎならそのまま海へ、満天の星を仰ぎながらやがて海とひとつになりこの惑星の一部になってしまいそうだ。〈いつまでもてのひら濡れて蛍狩〉〈海底に火山の眠る夏銀河〉。ときに繊細にときに大胆に、惹きつけられる句の多いこの句集が遺句集とはあらためて残念に思う、合掌。『流砂』(2013)所収。(今井肖子)


July 1172014

 来てすぐに気に入つてゐる避暑地かな

                           波多野爽波

者は避暑地がどんな場所であるか、一切、説明していない。描かれているのは、やってきた避暑地を気に入ったという心情だけである。考えてみれば、避暑地にやって来たら、気に入るか気に入らないか、選択肢は二者択一である。当たり前のことなのだが、読後は新鮮。「来てすぐに」の「すぐに」が微妙な味わいを出し、まるで子供のような無邪気な喜びようである。作者本人は意図していなかったかもしれない俳味が、この一句にはある。『骰子』(昭和61年)所収。(中岡毅雄)


July 1072014

 夏に負けヨドバシカメラ店の前

                           瀬戸正洋

雨が明けるとどんどん暑くなる。げんなりする蒸し暑さ。夏に勝てるのは高校球児とサーファーぐらいだ。普段から元気のない中高年などは早々と夏に全面降伏するしかない。それが巨大な家電量販店ヨドバシカメラの前っていうのだからこの暑苦しさの増幅は凄い。都会を詠むならこのぐらいのインパクトがなければ、新宿や池袋の雑踏やアスファルトの照り返しによる暑苦しさは伝えられないだろう。固有名詞の取り込みは時代の俳句を詠む大事な柱の一つだと思う。「ヨドバシカメラ」がいつまで読み手にわかる言葉であるかわからないが、この濁音の多い固有名詞を取り込むことで現代の夏を伝える効果があれば十分ではないかと思う。『B』(2014)所収。(三宅やよい)




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