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October 24102014

 田鴫鳴く眠れぬ夜の畦歩き

                           西谷 授

鴫は冬に向かって旅鳥として渡来し、水田跡、蓮田、湿地等で捕食する。ふだん日中は草陰、稲の切株の脇にじっとしている。安全な場所では日中も餌をとるが普通は夕方頃から土の中に長いくちばしを突っ込んでミミズや昆虫をあさる。日常の諸事に患って眠れぬ夜がやってきた。胸に響くざわざわとした喧騒を静めるべく一人外へ出る。土手へ出る畦道を歩いていると恐ろしいほど淋しくなる。傍らに何に怯えたか田鴫が鳴きだした。「お前も俺とおなしだな」と作者はつぶやきつつ歩く。他に<大和路の稲架それぞれに小糠雨><居眠りの猫見張りをる大根干し><時雨るるや母の傘追ふ赤い傘>など在り。『鄙歌』(2002)所収。(藤嶋 務)




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