STAP細胞はなかった。かくして現代のロマンはついえさった。(哲




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December 27122014

 おほかたは灯の無き地上クリスマス

                           亀割 潔

前目にした、宇宙から見た夜の地球、の画像を思い出す。煌々と輝いている灯の美しさに驚きながら、あらためてこれ全部電気なのだと複雑な気分になった覚えがある。それは、地球という生きている星に人間が寄生している証のようにも思えた。掲出句を読んで、あらためて国際宇宙ステーションからの映像を見てみると、眩い光は深い藍色の闇の中に浮きあがっている。掲出句の作者は、クリスマスツリーやイルミネーションの光から、それとはほど遠い彼方の大地やそこに生きる人を思っているのだろうか。自在な発想は<山眠る小石の中に川の記憶>などの句にも感じられる。『斉唱』(2014)所収。(今井肖子)


December 26122014

 正月は留守にする家鶲来る

                           小川軽舟

月の留守は実家への帰郷とか連休利用の旅行など普段の生活拠点を離れる事が多くなる。十月を過ぎる頃にはそんな正月の予定をあれこれ立てる。ふいと「ヒッヒッ」と火打石を打つ音に似た鳥の鳴き声が聞えた。尉鶲(ジョウビタキ)である。例年通り渡来し例年通りわが家の庭木に止まった。そんな律義さがこの鳥にはある。オスは赤褐色の腹部や尾が鮮やかで翼の黒褐色とそこにある白い斑点がしゃれている。よく目に留まる高さに飛びまわるので目につきやすい。今年もやって来たなと安心しつつも人は自らの旅の準備に思いをはせる。旅は良い、心細くなるような冬の旅が良いと飽食の都会生活にこころ腐らせた身には思えるのである。他に<初冬や鼻にぬけたる薄荷飴><しぐるるや近所の人ではやる店><綿虫のあたりきのふのあるごとし>などあり。「俳句」(2013年2月号)所載。(藤嶋 務)


December 25122014

 犬の眉生まれてきたるクリスマス

                           岡田由季

リスマスは人間を救済するため人の子の姿を借りて神の子キリストが生まれたことを祝う日であるが、もはやサンタとケーキとプレゼント交換が目的の日になってしまった。本来の意義を感じつつこの日を迎えるのはクリスチャンぐらいだろう。掲句では生まれたての子犬のふわふわした顔にうっすらと眉毛のような濃い毛が生えてきたのだろう。かすかな兆候を「生まれる」と形容しクリスマスに重ねたことで、それを発見したときの初々しい喜びが伝わってくる。暖かな子犬を抱き上げてうっすらと眉が生えてきたように見える額のあたりを指の腹でなでてみる。その下に輝く子犬の瞳は不思議そうに飼い主を見つめていることだろう。新しく生まれてくるものを迎えるクリスマスにふさわしい一句であると思う。『犬の眉』(2014)所収。(三宅やよい)




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