箱根駅伝復路とライスボウルを観て、正月を打ち止めとしよう。(哲




2015ソスN1ソスソス3ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

January 0312015

 数へではあら六十や明けの春

                           小泉洋一

の句が収められている句集の名は『あらっ』(2013)。掲出句からとった、とあとがきにある。「その時の心持ちが素直に詠めたことがうれしかった」とは同じあとがきにある作者の言葉だ。「あら」は、ああ、あな、というある種の感動を表しているが、「あらっ」となると、あらまあびっくり、といった感じがよりにじむ。還暦はやはり一種感慨があるもので、同窓生が集まるとあれこれ話題になる。作者は早生まれ、年が明けて、皆今年還暦だけれど自分は来年よ、と思った瞬間、あ、数え年ならもう六十歳ではないか、と気づいて盃を持つ手が止まったのだ。年が明けることも、干支が一回りすることも、とりあえずめでたい。(今井肖子)


January 0212015

 初烏風強ければ逆らはず

                           藤井鬼白

日ことに日の昇る東の空に鳴く烏とその声が「初烏」。初鴉は瑞兆で縁起が良いとされる。よく烏が鳴くと不吉な前兆と言うが烏って何時でも何処でも吉凶に拘らず鳴くものである。その姿や声が禍福両様にとられ八咫烏の故事や各地の神事で扱われたりしもする。晴れ渡る正月の空に、烏が風に逆らわず悠々と向かっている。烏の風遊びが始まった。逆らわず身を任す知恵と術を烏はもっている。他に<消燈の早き病舎や蛍飛ぶ><本尊は石の薬師や笹子なく><投げ苗の一把は解けて飛びにけり>など。『藤井鬼白自選句集』(2006)所収。(藤嶋 務)


January 0112015

 俳句思えば元朝の海きらめきぬ

                           池田澄子

けましておめでとうございます。2015年、羊年の幕開けである。毎日夜は明けるけど元旦の日の出のきらめきは格別である。今朝も多くの人が山や海へと足をのばして、その瞬間を待ちわびたことだろう。正月と言えば宮城道雄の「春の海」。正月のたびかかるこの曲も元旦に聞くと気持ちが清々しく改まるように思える。そんなふうに気持ちをリフレッシュできる正月があってよかった。さて掲載句は「俳句思えば」のフレーズで5つのパートに分かれた章の締めくくりに配置されている中の一句。作者の俳句に対しての思いがめぐる季節と同体化して表現されている。この短くて短いが故に困難さと可能性を秘めたこの詩形を心から愛する作者にとって、まだ生み出していない俳句は元朝の日に寄せては返す波頭のきらめき。さて今年はどんな俳句とめぐりあえることだろう。『拝復』(2011)所収。(三宅やよい)




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