インフルエンザ流行中。老人には厳しいA香港型だとか。(哲




2015ソスN1ソスソス9ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

January 0912015

 御降の沁みとほりたる漁網かな

                           高階和音

降り(おさがり)は元日から三が日に降る雨や雪のこと。正月のお天気は晴れても降ってもめでたい。きっと今年も豊年満作、漁も大漁だろうと縁起よい夢を占う。初漁に備えて繕はれた漁網が広げられている。網の目に沁みとおるほどの小糠雨だろうか降注いでいる。細やかに明るく光る雨粒を眺めながら、今年もきっと健やかな年になることを切に期するのである。他に<傀儡師潮に濡れたるものを履き><漁小屋に歯固めの餅焦げにけり><御降の雪浮玉を隠しけり>などあり。俳誌「斧」(2005年3月号)所載。(藤嶋 務)


January 0812015

 人減し時代に生きて鷽を替ふ

                           田川飛旅子

替え(うそかえ)は大宰府天満宮などで行われる神事。「鷽」は「嘘」に通じ、前年にあった厄を吉へ転じるために木彫りの鷽を新しいものに交換するという。理系の技術者で役員まで上り詰めた作者には経営の厳しさもサラリーマンの悲哀も両方わかる立場にいただろう。会社に育てられ終身雇用が当たり前だった時代も過ぎ、会社が生き残るための人員整理が怒涛のごとく行われた。今やリストラや転職が珍しくない時代になったが、掲句では「鷽を替ふ」という禍を転じるはずの言葉が、簡単にすげかえられるサラリーマンの首のように思えてこの神事に対してのアイロニーが感じられる『田川飛旅子選句集』(2013)所収。(三宅やよい)


January 0712015

 役者あきらめし人よりの年賀かな

                           中村伸郎

っから芝居がたまらなく好きで堅実に役者をめざす人、ステージでライトに照らし出される華やかな夢を見て役者を志す人、他人にそそのかされて役者をめざすことになった人……さまざまであろう。夢はすばらしい。大いに夢見るがよかろう。しかし、いっぱしの役者になるには、天分も努力も必要だが、運不運も大いに左右する。幸運なめぐり合わせもあって、役者として大成する人。ちょいとした不運がからんで、思うように夢が叶わない人。今はすっぱり役者をあきらめて、別の生き方をしている人も多いだろう。(そういう人を、私も第三者として少なからず見てきた)同期でニューフェイスとしてデビューしても、一方は脱落して行くという辛いケースもある。長い目で見ると、そのほうが良かったというケースもあるだろうし、その逆もある。このことは役者に限ったことではない。「役者をあきらめし人」の年賀をもらっての想いは、今は役者としての苦労もしている身には複雑な想いが去来するのであろう。親しかった人ならば一層のこと。そういう感懐に静かに浸らせてくれるのが年賀であり、年頭のひと時である。虚子の句に「各々の年を取りたる年賀かな」がある。平井照敏編『新歳時記・新年』(1996)所収。(八木忠栄)




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