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January 2112015

 冬銀河男女黙せるまま老いぬ

                           橋本真理

人同士、あるいは若い夫婦なら向き合ってよくしゃべる。けれども一般的に、年齢とともに会話は少なくなっていくケースが多い。あるレストランで、中年の男女が活発によくしゃべっている。それを遠くから見ている人が連れの人に言う。「ふたりは夫婦じゃないな」「どうして?」「夫婦だったら、あんなによくしゃべらない」ーーというくだりがある小説を読んだことがあり、ナルホドと感心したものである。例外はもちろんあるだろうけれど、夫婦の会話は年齢とともにどうしても減ってくる。ま、「要用のみにて失礼します」というわけだ。掲出句の「男女」は夫婦なのかも知れない。会話は減ってきても、冬の夜空をまたいでいる銀河だけは相変わらず冴えわたっている。そこに黙せる男女を配置したことによって、冬銀河がいっそう冴え冴えと見えてくる。「黙せるまま」と言っても、二人とも特に仲が悪いわけではない。むしろ自然体なのであって、両者に格別の不満があるわけではないのだろう。「冬銀河」と「老い」とが鮮やかな対比を示しているところに注目したい。作者の句は他に「蝶凍てて夢の半ばも夢の果て」がある。「長帽子」76号(2014)所収。(八木忠栄)




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