イスラム国事件。タイムリミットが迫るなかどんな展開を見せるか。(哲




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January 2312015

 冬夕焼鴉の開く嘴の間も

                           小久保佳世子

っ赤な夕焼けが真っ黒な鴉の嘴の間から見えたという。夕焼けと言えば夏場の季語だが冬の夕焼けも心細くなるほど感傷的に美しい。寒中の夕焼けはその短さゆえいっそう心に沁みてくる。鴉の成鳥は口の中も黒い。その開いた暗黒へ赤い夕陽が射している。ここにも一つの夕陽の美あり、人それぞれに小さな発見をし感心するものある。それがその人のアングルというものであろう。因みに鴉にはざっくり言って嘴の太いハシブトガラスと細ハシボソガラスが居るが、ここはハシブトカラスとみておこう。他に<涅槃図へ地下のA6出口より><アングルを変へても墓と菜の花と><人間を信じて冬を静かな象>などあり。『アングル』(2010)所収。(藤嶋 務)


January 2212015

 雪の教室壁一面に習字の雪

                           榮 猿丸

庭一面に降り積もった雪、体育館も渡り廊下の屋根も雪で覆われている。人いきれで曇った窓を手で拭って見ると普段の学校とは全然違う景色が広がっている。そして、教室の後ろの壁一面には生徒たちが習字の課題で書いた「雪」が黒々と張り出されている。40枚近く連続した「雪」「雪」「雪」の文字が様々な書きぶりで踊っているのだ。生徒たちでにぎわう教室より、授業が終わって閑散とした薄暗い教室で降る雪と壁面いっぱいに張り出されている「雪」に囲まれている情景を想像するとより印象的で、映画のワンシーンのようだ。「雪の教室」という出だしと結語の「習字の雪」というリズムも響きも良くて一読忘れがたい句である。『点滅』(2013)所収。(三宅やよい)


January 2112015

 冬銀河男女黙せるまま老いぬ

                           橋本真理

人同士、あるいは若い夫婦なら向き合ってよくしゃべる。けれども一般的に、年齢とともに会話は少なくなっていくケースが多い。あるレストランで、中年の男女が活発によくしゃべっている。それを遠くから見ている人が連れの人に言う。「ふたりは夫婦じゃないな」「どうして?」「夫婦だったら、あんなによくしゃべらない」ーーというくだりがある小説を読んだことがあり、ナルホドと感心したものである。例外はもちろんあるだろうけれど、夫婦の会話は年齢とともにどうしても減ってくる。ま、「要用のみにて失礼します」というわけだ。掲出句の「男女」は夫婦なのかも知れない。会話は減ってきても、冬の夜空をまたいでいる銀河だけは相変わらず冴えわたっている。そこに黙せる男女を配置したことによって、冬銀河がいっそう冴え冴えと見えてくる。「黙せるまま」と言っても、二人とも特に仲が悪いわけではない。むしろ自然体なのであって、両者に格別の不満があるわけではないのだろう。「冬銀河」と「老い」とが鮮やかな対比を示しているところに注目したい。作者の句は他に「蝶凍てて夢の半ばも夢の果て」がある。「長帽子」76号(2014)所収。(八木忠栄)




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