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January 2612015

 俺が老いるとは嘘のようだが老いている

                           田中 陽

者は口語俳句のベテランとして知られる。老年近くになってくると、誰しもが感じる泣き笑いの実相だろう。老いを自覚するのは、突然だ。第三者が冷静に観察しつづければ、老いは徐々に訪れるのかもしれない。が、当人にしてみれば、たいていはこんなはずではないのにと思うさなかに、老いは容赦なく姿を現す。そして老いは、ひとたび出現するや、どんどん進行していくような気がする。それは外観的にもそうだが、内面でも深化していく。外側から内側から泣き笑い現象が進行していき、泣こうがわめこうが、がんじがらめに縛り上げられることになる。余人は知らず、私の場合にはそんな印象だった。そしてやがては、同じ作者の最新句集『ある叙事詩』にあるように「だれが死んでもおどろかない おれが死んでも」の心境に至るのである。『現代俳句歳時記・無季』(2004・学習研究社)所載。(清水哲男)




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