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March 1032015

 春風やピエロの口の中に口

                           佐々木ひさこ

辞苑によるとピエロは「白粉や紅を塗り、だぶだぶの衣装を着て襟飾りをつけ、円い帽子をかぶる」とされる。笑いを取るための衣装や化粧であるにも関わらず、その奇抜な姿かたちにぎょっとし、大げさに描かれているからこそ、その笑顔とうらはらにある真実の顔を探るように見てしまうのだ。作者は白塗りの顔のなかに大きく描かれた口の一部に、本当の口が存在することに目をとめる。もちろんそれはあるべき場所にあって当然のものだが、そこに悲しみが貼り付いているように見てしまうのだ。ピエロのメイクには必ず大粒の涙が描かれるという。春風のなかに立つピエロは一体笑ってほしいのか、一緒に泣いてほしいのか、胸を騒がせたまま通り過ぎる。『霧比叡』(2014)所収。(土肥あき子)




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