英総選挙、保守党が大差で第1党。世界はどんどんバラバラに。(哲




2015ソスN5ソスソス9ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

May 0952015

 薔薇咲くや生涯に割る皿の数

                           藤田直子

り乱れる薔薇の花弁から割れた皿の破片を思い浮かべるのと、割れてしまった皿の欠片を見た時そこに薔薇のはなびらが重なって見えるのとでは印象が異なるだろう。割れた皿の欠片からさえ、美しく散る薔薇を連想するという想像力と美意識が、この作者の凛とした句柄には似合っているのかもしれない。しかしまた、広い薔薇園で散り始めた無数ともいえる花弁の色彩やふくよかな香りの中にいながら、ふと硬く尖った陶器の破片が音を立てて散らばった一瞬を思う、というのも捨てがたい。いずれにせよ、生涯に割る、という一つの発見までの時間の経過を共有することで読み手も一歩踏み込むことができ、咲くや、により薔薇はなお生き生きと強い生命力を持ちそれが前を向いて進む作者の姿に重なる。『麗日』(2014)所収。(今井肖子)


May 0852015

 口あけて顔のなくなる燕の子

                           大串若竹

は春に渡来して人家とか駅舎とか商店街の軒先とかに巣を作って産卵し育て、秋には南方に去る。その尾は長く二つに別れた、いわゆる燕尾である。人間に寄り添って巣を作るので燕の子にも一段と親しみを覚える。毎日その成長を見上げては楽しんでいるのだが、子は四五匹ほど居るので生存競争も激しそうだ。精一杯口をあけて顔中を口にして、親鳥の餌をねだる。ねだり負ければ成長に負ける事になる。それを見上げる人間も口をいっぱいに飽けて眺める事とはなる。<風鈴の百の音色の一つ選る><甚平やそろばん弾く骨董屋><母の日に母に手品を見せにけり>なども所収される。『風鈴』(2012年)所収。(藤嶋 務)


May 0752015

 ハイヒール山に突き刺し夏に入る

                           加納綾子

休の高尾山は人出が多く山道も渋滞する。地方では考えられないことだが、混みあって前に進めぬ山道を初めて体験した。山道を行く人々は山歩きの服装が多いが、ロープウェイで来たのかミニスカートにハイヒールといった街歩きの格好をした女の子も時折見かける。一足ごとにハイヒールの高い踵が柔らかい赤土にめり込んで歩きにくそうだが、本人はまったく苦にしていない様子。満員電車のピンヒールは凶器に思えるが、ハイヒールの踵で突き刺される山もたまったもんじゃないだろう。自然に優しくない「突き刺す」という表現が怖いもの知らずの若さを表しているように思える。この果敢さで暑くてうっとうしい夏をある時はハイヒールで突き刺し、ある時は尖った爪先で蹴散らしてゆくことだろう。『関西俳句なう』(2015)所載。(三宅やよい)




『旅』や『風』などのキーワードからも検索できます