国会の党首討論。安倍首相のはぐらかしは、もはや傲慢である。(哲




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May 2152015

 シャツ干して五月は若い崖の艶

                           能村登四郎

子兜太のよく知られた句に「果樹園がシャツ一枚の俺の孤島」がある。揚句の「シャツ」もそうだけど、今の模様入りのカラフルなシャツではなく、薄い綿のランニングといった下着のシャツだろう。張り切った肉体の厚みをはっきりと浮き立たせるシャツは若い男性の色気を感じさせる。爽やかな風にたなびくシャツ、「若い」は五月と崖の艶、双方を形容するのだろう。なまなましい岩肌を露出させた崖の艶はシャツの持ち主である若者の張りきった肌をほうふつとさせる。若葉の萌え出る五月、美しく花の咲き乱れる五月はやはり生命感あふれる若者のものなのだろう。『能村登四郎句集 定本枯野の沖』(1996)所収。(三宅やよい)


May 2052015

 夏場所やひかへぶとんの水あさぎ

                           久保田万太郎

催中の大相撲夏場所は、今日が11日目。今場所は誰が賜杯を手にするのだろうか? 先場所まで白鵬が六場所連続優勝を果たしてきた。ところが今場所、白鵬は意外にも初日に早くも逸ノ城に不覚をとった。さて、優勝の行方は? 力士が土俵下のひかえに入る前に、弟子が厚い座布団を担いで花道から運ぶ。座布団の夏場所にふさわしく涼しい水あさぎ色に、作者は注目し夏を感じている。二つ折りにした厚い座布団に、力士たちは腕を組んでドッカとすわる。一度あの座布団にすわってみたいものだといつも思う。暑い夏の館内の熱い声援と水あさぎの座布団、力士がきりりと結った髷の涼しさ、それらの取り合わせまでも感じさせてくれる。万太郎は相撲が好きでよく観戦したのだろう。私は家にいるかぎり、場所中はテレビ観戦しているのだが、仕切りの合間、背後に写る観客席のほうも気になる。今場所はこれまで林家ぺー、張本勲、三遊亭金時らの姿を見つけた。落語家は落語協会が買っているいい席で、交替で観戦している。万太郎のほかの句に「風鈴の舌ひらひらとまつりかな」がある。『文人俳句歳時記』(1969)所収。(八木忠栄)


May 1952015

 草笛を吹く弟の分も吹く

                           太田土男

笛はコツさえつかめばどんな葉でも音がするのだというが、一度として成功したためしがない。口笛さえ吹けないのだから当然といえば当然かもしれない。掲句では、幼い兄弟の様子とも思ったが、大人になってからの草笛と思い直した。ふと手に取った草の一片を唇に当て、昔通りの音が思いがけず出たとき、子供の頃の思い出がよみがえったのだろう。兄弟揃って吹いて歩いたなつかしい景色や、弟の背丈などがどっと押し寄せるように思い出される。今ここにいない弟の分を、もう一枚、草笛にして吹いてみる。きっとあの日と同じ苦いようなほこりっぽいような草の味が口中に広がっていることだろう。『花綵(はなづな)』(2015)所収。(土肥あき子)




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