昨日の国会中継。午前午後とフォローしたけれど何の実りもなし。(哲




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May 2852015

 ふぐの子のちちのむやうにくちうごく

                           榎本 享

ぐは猛毒を持つが美味で、その顔を正面からまじまじ見ると目が大きくてユーモラスな表情をしている、句の眼目は大きなふぐでさえ、もごもごと口を動かす様子が愛嬌があるのにそれが赤ちゃんふぐというところだ。「ちちのむように」とその動きを具体化し、全体をひらがな表記の柔らかさが赤ちゃんふぐのいとけなさを表しているようである。日本の近海にはトラフグだけでなく様々な種類のフグがいる。ふぐ料理は冬が本番ではあるが、クサフグなどは6月あたりに集団で波打ち際に押し寄せて産卵をするらしい。無事生まれた赤ちゃんふぐたちは大海で生き抜くべく一生懸命口を動かしながら泳いでいることだろう。『おはやう』(2012)所収。(三宅やよい)


May 2752015

 景気よく閉す扉や冷蔵庫

                           徳川夢声

この家庭でも、冷蔵庫が季節にかかわりなく台所のヌシになってから久しい。「冷蔵庫」が夏の季語であるというのは当然だけれど、今どき異様と言えば異様ではないか。同じく夏の季語である「ビール」だって、四季を通じて冷蔵庫で冷やされている。飲んべえの家では、冷蔵庫のヌシであると言ってもいい。だから歳時記で「冷蔵庫」について、「飲みものや食べものを冷やして飲食を供するのに利用される。氷冷蔵庫、ガス冷蔵庫などもあったが、今日ではみな電気冷蔵庫になり、家庭の必需品となった。」と1989年発行の歳時記に記されているのを改めて読んでみると、しらけてしまう。1950年代後半、白黒テレビ、電気洗濯機とならんで、電気冷蔵庫は三種の神器として家々に普及しはじめた。冷蔵庫の扉はたしかにバタン、バタンと勢いよく閉じられる。普及してまだ珍しい時代には、家族がたいした用もないのに替わるがわる開閉したものだ。せめて冷蔵庫の扉くらいは「景気よく閉す」というのだから、景気の悪い時代に詠まれた句かもしれない。辻田克巳には「冷蔵庫深夜に戻りきて開く」という句がある。『文人俳句歳時記』(1969)所収。(八木忠栄)


May 2652015

 日傘差す人を大人と呼ぶ人も

                           杉田菜穂

焼けが大敵だと思うようになってからずいぶん経つが、たしかに20代前半は無防備に日に焼け、それほど後悔することもなかった。身軽が一番な年頃では雨も降っていないのに傘を差すなど、到底考えられないことだった。日傘は手がふさがるし、閉じたら閉じたで荷物になる。しかしその負担をおしてでも、年々歳々太陽光線は忌み嫌われ、しみしわ老化へ拍車をかける悪の根源として断固拒絶の意志をかためていく。大人とは衰えを自覚する人々のことなのだ。紫外線のUVAは5月がもっとも多いとされる。大人にとって油断大敵の今日この頃である。『関西俳句なう』(2015)所載。(土肥あき子)




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