五輪のための新国立競技場。この建設費でギリシャが救えそう。(哲




2015ソスN7ソスソス4ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

July 0472015

 絵にしたき程に履かれし登山靴

                           中村襄介

物画を描こうと花瓶の花と向き合ったり、旅先でスケッチブックを開いて目の前に広がる風景を写したりする時は、描こうという気持ちが先にある。それとは別に、ふと描いてみたいという衝動に駆られる時があるがそれは、ひょいと覗いた路地裏だったり、無造作に積まれた野菜だったり、およそ描かれることを意識していないようなものが多い。この句の登山靴はかなり履き込まれていてそれが今、静かに脱がれ置かれている。どれほどの大地を踏みしめてきたのか、二つと同じものはないその形は、持ち主と共に過ごした時間の形でもあり、描きたい、と思った作者に共感する次第である。『山眠る』(2014)所収。(今井肖子)


July 0372015

 消えかけし虹へペンギン歩み寄る

                           金子 敦

ンギンは主に南半球に生息する 海鳥であり、飛ぶことができない。海中では翼を羽ばたかせて泳ぐ。海中を自在に泳ぎ回る様はしばしば「水中を飛ぶ」と形容される。陸上ではよちよちと歩く姿がよく知られているが、氷上や砂浜などでは腹ばいになって滑ったりする。飛ぶことを失った鳥。話は逸れるが、小生の周りにパニック障害に苦しむ者が居る。自分の行動が自分の意のままにならないのだ。勤めに出ようにもそこへ向かう一歩が硬直して踏み出せない。今空へ向かって飛出せないペンギンの姿が重なって見えてくる。真っ白な南極に七色の虹が掛り今消えかかっている。普段見慣れぬ虹に見とれていたペンギンが、もう少し夢の時間を惜しむかのように歩み寄って行った。もしも飛べたなら空へ向かって羽ばたいたろうか。それでもペンギンは消えかけた虹へ向かってよちよちと歩み寄って行くのであった。他に<メビウスの帯の中なる昼寝覚><月の舟の乗船券を渡さるる><白薔薇に吸ひこまれたる雨の音>などあり。『乗船券』(2012)所収。(藤嶋 務)


July 0272015

 台形の面積のこと蛇のこと

                           中谷仁美

形の面積?小学校のときに習ったけど思い出せない。ネットで検索すればすぐに公式は出て来るけど、丸暗記した記憶は頭の片隅にも残っていない。「こんなこと勉強しても仕方がない」苦手な理数科系の教科の試験の前にはいつでもそんな不満が頭を渦巻いていた。そんな台形の面積と蛇が並列においてあるってことは句の裏の気持ちはどちらも苦手っていうことか。で、なくとも台形の面積を学んだあとに蛇のからだの仕組みの授業なのかも。唐突に台形の面積と公式と蛇が並ぶこの並びかたがおかしい。田畑の多い田舎では夏場の蛇はありふれたものだったが、最近は青大将も動物園の爬虫類館でみる有様、蛇も公式と同じように今や観念的存在なのかも。『関西俳句なう』(2015)所載。(三宅やよい)




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