August 092015
たいようは空であそんで海でねる
てづか和代
絵日記の一行のような句です。夏休みに、海水浴に行った思い出でしょうか。童女は、波にたわむれ、海にただよい、砂浜のパラソルの下で寝ころんで、雲の流れを追います。太陽は、強烈な光を放射していて、目をつぶっても瞼の薄皮を突き抜けて、目の中はオレンジ色の光です。午後になって再び、波にたわむれ、海にただよい、砂浜のパラソルの下で寝ころんで、雲の流れを追います。さっきはまぶしくて目をつぶってしまったけれど、いまは、わきあがり始めた入道雲をじっと見続けることができます。午前中にパラソルの前方にあった太陽は、今、パラソルの後方にあるからです。このとき、8才のてづか和代さんは、たいようは空であそんでいることをしりました。夕方、民宿の窓から海に沈む夕日を見て、和代さんも、すっかり眠くなりました。またあしたあそびましょう。なお、掲句は、各国の児童が参加したハイク・コンテストから優秀作品をまとめた『地球歳時記』(1995)所載で、英訳も付記しておきます。The sun Plays in the sky and Goes to sleep in the ocean(小笠原高志)
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