一億総活躍社会担当大臣って、何をするんだろう。(哲




2015ソスN10ソスソス8ソスソスソスソス句(前日までの二句を含む)

October 08102015

 コスモスや死ぬには丁度いい天気

                           仲 寒蟬

川の昭和公園のコスモス、小金井公園のコスモス。毎年見ごろになると見に出かける。秋晴れの丘陵にコスモスが咲く様子はとても気持ちがいい。腰が弱くてひょろひょろしていて、それでいて群れて咲くとどんどん広がってゆく。町中ではプランターや花壇で育てるより空き地や駅の塀など路傍に咲いているのが似合いの花だ。明らかに澄み切った秋の昼にコスモスが咲いて、ほんとうに死ぬには丁度良さそうだ。私もじめじめ雨が降る夜に死ぬより、とびきり天気が良くてコスモスが見ごろのころがいい。歳時記でコスモスの項目を見ると飯田龍太が「やや古めかしいモダニズムといった感じの花である」と解説をしていたが、そのニュアンスのコスモスに掲載句の措辞はぴったりに思える。掲載句のようにあっけらかんと明るく死ねるのは願望なのだけど、現実ははて、どうだろう。『巨石文明』(2014)所収。(三宅やよい)


October 07102015

 旧道にきつねのかみそり廃屋も

                           永瀬清子

きつねのかみそり」(狐の剃刀)とは、素晴らしいネーミングではないか。調べてみると、ヒガンバナ科の多年草で有毒植物である。「おおきつねのかみそり」とか「むじなのかみそり」という呼び方もあるそうだ。別名は「リコリス」、ギリシア神話で、海の女神を意味する。おそらく山間地の人通りの少ない旧道に、この有毒植物は美しくシャープな花をそっと咲かせているのだろう。そのあたりには廃屋が何軒か残っている。鄙びた風景のなかで清子は「きつね……」に目を奪われたのだろう。ネーミングに鋭利な緊張感があり、「たぬきの……」ではしまらない。なぜ「きつねのかみそり」と呼ばれるのか、正確な理由を私は知らない。「きつね」のように「かみそり」のように、鋭く尖っている花弁の様子に由来しているように思われる。狐が棲んでいるような山間地に、わびしくひっそり凛として咲いている花のようだ。(インターネットで写真をご確認ください。)そう言えば、「きつねあざみ」(狐薊)というキク科のあざみの一種もある。永瀬清子に俳句があったとは、寡聞にして知らなかった。『全季俳句歳時記』(2013)所収。(八木忠栄)


October 06102015

 太綱の垂るる産小屋そぞろ寒

                           鈴木豊子

小屋とは出産をするための施設。掲句は前書きに「色の浜」とあるため、福井県敦賀市色浜の海岸近くにあった産小屋を訪ねての作品である。産小屋は、出産を不浄とみなす観念から発生した風習であった。現在でも小屋には土間と畳の間が復元され、備品も若干残されていることから当時の姿を垣間見ることができる。いよいよ産気づいた妊婦は梁からおろされた太綱にすがり、出産を迎える。出産前後一ヶ月ほどを過ごす簡素な小屋はいかにも寒々しく、心細い。しかし、「古事記」の豊玉姫の昔から、女は海辺の小屋で子を生んできたのだ。万象の母である海に寄り沿うように、生むことのできる安らぎに思いを馳せる。耳を傾ければ波の音が母と子を強くはげますように寄せては返す。〈里芋を掘り散らかしてぬかるみて〉〈一括りして筍に走り書き〉『関守石』(2015)所収。(土肥あき子)




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