屋根の修繕でもしていれば当然のこととも思えるが、屋根の上にものがあること自体が不思議に思える。屋根とは家のもっとも高い場所。いわば神聖なる空に触れるところである。その神聖なる場所に、日常中の日常である道具箱なるものがある。鳥たちの安住の地に広げられた道具箱に「なにかしら、なにかしら」とにぎやかに騒ぎ立てている様子がいかにものどかに描かれる。『花吹雪』(2015)所収。(土肥あき子)
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